最近ネットやSNSで見かけた記事で、
「頼んではいけない葬儀社3選」みたいな内容がありました。
その中で印象に残ったのが、
最初に受付・商談した人と、実際に葬儀を担当する人が違う葬儀社は危険
というもの。
理由としては、
- 商談担当は葬儀当日に来ない
- つまり遺族と“その後会わない”
- だから高い祭壇やオプションを売りやすい
という話でした。
……うん。
言いたい事は分かります。
実際、現場にいる私から見ても、
「いやこの会場でこの祭壇デカすぎるだろ!」
みたいな受注を見た事はあります。
というか普通にあります。
あります。(2回言う)
実際に私も言い争いになった事があります
私は現在、いわゆる“分業制”の葬儀社にいます。
簡単に言うと、
- 病院搬送担当
- 打ち合わせ担当
- 施行・司会進行担当
- 清算・アフター担当
みたいに役割が分かれている形です。
で、ある日。
商談スタッフが受注してきた花祭壇を見て私は思いました。
「……これ、会場に対してサイズ感おかしくない?」
しかもご家族の人数的にも、
そこまで大規模にする必要がある感じではない。
当然、
- ステージが祭壇で埋め尽くされるので供花が飾れずにロビー飾ることになり
- 会場の導線が狭くなる
そして何より、
“ご家族が本当に望んでいた形なのか?”
という疑問がありました。
結果、普通に口論です。
葬儀屋も人間なので普通に揉めます。
むしろ裏では結構揉めています。
静かな顔してますけど。
でも「分業制=悪」ではありません
ここは誤解してほしくない部分です。
確かに分業制だと、
「売る人」と「当日やる人」が別になるので、
ズレが起きるケースはあります。
これは否定しません。
ただ――
現在の葬儀業界で、
“完全ワンオペ型”
つまり、
- 搬送
- 打ち合わせ
- 見積り
- 発注
- 納棺
- 司会
- 式進行
- 火葬場案内
- アフター
これ全部を一人で回す。
この形は、今の時代かなり厳しいです。
というか、まともに休みを取ろうと思うと無理です。
15年前は「全部やる」が普通だった
私が業界に入った15年前。
あの頃は、
「担当者が全部やるのが当たり前」
でした。
病院のお迎え行って、
寝ずに打ち合わせして、
そのまま通夜やって、
翌日告別式。
終わったらまた夜中に電話。
携帯は鳴る。
永遠に鳴る。
とにかく鳴る。
当時は、
「寝てない自慢」
みたいな空気すらありました。
今思うと完全に狂気です。
今は逆です
現在は労働基準法も厳しくなり、
- 長時間労働
- 連続勤務
- 休憩未取得
- サービス残業
この辺はかなり問題視されます。
つまり、
“全部一人で担当する”
というスタイルを続けると、
逆に法律違反になるケースが多いんです。
なので今は、
「分業制にせざるを得ない」
という背景があります。
大事なのは「分業かどうか」ではない
ここ、かなり重要です。
本当に見るべきなのは、
情報共有できている会社かどうか
です。
- 商談内容が現場に伝わっているか
- ご家族の意向が共有されているか
- スタッフ同士で連携できているか
ここが大事。
逆に、
「全部一人で担当します!」
と言っていても、
疲弊しすぎて判断力落ちてるケースもあります。
寝不足の人間、普通にミスしますからね。
人間なので。
最後に
ネット記事って、
「○○は危険!」
みたいな断定系が強いです。
その方が読まれるので。
でも実際の現場って、
そんな単純じゃないんですよね。
分業制にもメリット・デメリットがある。
ワンオペ担当制にもメリット・デメリットがある。
結局は、
“その会社が誠実に情報共有しているか”
これに尽きる気がします。
そして個人的には、
今の若い葬儀スタッフには
昔みたいな「寝ないのが偉い文化」は経験してほしくないです。
あれは修行ではなく、
ただのHP削りです。

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