増え続ける直葬と、葬儀業界に入り込む“派遣問題”について考える

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こんにちは、葬儀の教科書ブログです。
最近、業界内で強く感じていることがあります。
それは「葬儀の件数は増えているのに、働き手は確実に減っている」という現実です。

これは葬儀業界に限った話ではありませんが、ここ数年で顕著になってきました。特に、いわゆる直葬(火葬式)が多くなってきたことで、件数自体は増えているのに、単価が下がって人手を確保しづらくなる、という悪循環に陥っている会社も少なくないようです。

葬儀社の社員ではない人が当日対応している?

そんな中で台頭してきたのが、派遣会社の存在です。
最近では、「直葬の打ち合わせだけ葬儀社社員が担当し、当日火葬場でのお花入れなどの現場対応は派遣スタッフが行う」というケースが増えてきました。

正直に言えば、私は「それ自体は問題ではない」と思っています。

例えば、もともと葬儀社で経験を積んだ人が派遣として働いている場合、むしろしっかりしていて安心して任せられるケースも多いです。
実際、社員より気配りが効いていたり、お客様からの印象が良かったりする方もいます。

ただ――問題なのは、
「業界未経験・マナーも危うい人が派遣されてくる」ケースが確実に増えてきていることです。

こんな服装で来るの?と唖然とした話

私の会社でも過去にありました。
火葬場に来た派遣スタッフが着ていたのは、ポケットが外に縫い付けられたカジュアルなジャケット。

「せめて、葬儀に来るのだからそのくらいは調べて来るでしょう」と思いたくなるのですが、残念ながら現実はそうではありませんでした。
葬儀業界に派遣する以上、派遣元の会社も最低限のマナーや服装については伝えておくべきだと思うのです。

派遣される側も、ただのお手伝い感覚ではなく、「最期のお別れの場に立ち会う」ことの意味を少しでも考えてほしいと切に思います。

「究極のサービス業」と言われた時代が懐かしい

私がこの業界に入った頃、葬儀屋という仕事は「究極のサービス業」と呼ばれていました。
それは、単なるマニュアル対応ではなく、目の前のご遺族に本当に寄り添える人でなければ務まらない、そんな仕事だと教えられてきたからです。

ところが今は、効率とコスト削減の名のもとに、経験も思いも持たない“人材”が、現場に立つようになってきている。
私はこの現状に、少なからず危機感を覚えています。

ご遺族の方に知っておいてほしいこと

このブログを読んでくださっている方の中には、今後直葬を検討される方もいるかもしれません。
その際、打ち合わせ時に「当日も御社の社員の方が対応されるのですか?」と確認することをおすすめします。

もちろん、派遣スタッフでも素晴らしい方はいます。
ですが、最期のお別れという大切な時間を“当たり外れ”に委ねてしまうのは、少しリスクが大きいのではないでしょうか。

可能であれば、社員が一貫して対応してくれる会社を選ぶ。それが、安心してお別れの時間を過ごすための、一つの基準になると思います。


人材不足の中での対応の工夫人の育て方、まだまだこのテーマには語りたいことがありますが、今日はこの辺で。
葬儀業界の未来が、きちんと人の心に寄り添える形で続いていくことを願って。

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