今回は、実際の現場でよく見かける “あるトラブル” についてお話ししたいと思います。
それは――靴のかかとの劣化による「黒い粉」や「塊」が床に点々と落ちている、ということ。
◆式の最中に起きた出来事
ある日、進行中の式典中にふと視線を落とすと、会場の床に不自然な“黒い点”がいくつも…。
「まさか」と思いながら目線を動かすと、同じく式についていた女性スタッフも、私と同時にそれに気づいた様子。
私たちは目を合わせ、小さくうなずき合って、周囲のご参列者の足元に注意を向けました。
すると――やはり、ある女性の靴のかかとがボロボロと崩れて、黒い破片が少しずつ床に落ちていたんです。
大理石の床にも絨毯にも、黒くこびりついたような跡が残ってしまい、後の清掃もひと苦労。
何よりご本人は全く気づかれておらず、気の毒なくらいで…。
そこで、タイミングを見て声をおかけし、こちらでご用意していたスリッパをお貸ししました。
無事に最後までご参列いただけましたが、これは実は珍しい話ではありません。
今回は共有の意味も込めて、この記事を書いてみました。
◆なぜ「かかと」は崩れるの?
この現象の正体は、加水分解(かすいぶんかい)と呼ばれる化学反応です。
靴のソールやかかと部分にはポリウレタンなどの合成樹脂が使われていることが多く、
長期間、空気中の水分と反応して劣化していくのです。
特に、
- 年に数回しか履かない冠婚葬祭用の靴
- 長期間、靴箱の奥にしまいっぱなし
という条件が揃うと、加水分解が進みやすくなります。
実は私自身、昔お気に入りだった(割と高額な😿)スキニーデニムのストレッチ素材が同じ現象でダメになった経験があります。
気づいたら生地がベタついて、触るだけで破れるような状態に…。
◆予防するには?
靴のかかと崩壊を防ぐには、以下のポイントをぜひ意識してみてください。
✅ 定期的に風通しの良い場所で陰干しをする
✅ ときどき履いてチェックする(履かなくても出して確認)
✅ ひび割れやベタつき、異臭がないかチェック
✅ 5年以上履いていない靴は、念のため予備を用意しておく
実際、「かかとが床に落ちていた!」というケースもあるほどなので、
前日・当日の朝などに一度足元をチェックする習慣があると安心ですよ。
◆まとめ:お葬式の場では「足元の準備」もマナーのひとつ
故人を偲ぶ大切な場だからこそ、フォーマルな「黒い靴」選びは基本。(お葬式に参列するときは最もフォーマル度が高い内羽根のストレートチップが相応しいのですが、説明すると長くなるので、詳しくは「お葬式 靴」で検索すると色々なサイトで紹介されていますのでそちらをご覧ください)
でも、実はその足元で予想外の“事故”が起きてしまうこともあります。
恥ずかしい思いをしないためにも、
「お葬式用の靴」は定期的なメンテナンスをお忘れなく。
こういった日常に潜む小さなトラブルの予防が、結果として周囲への思いやりにも繋がります。
この記事が「へぇ、そうなんだ」と思っていただけたら嬉しいです。
今後も、現場から見えるリアルな“気づき”を発信していきますのでお付き合い頂ければ幸いです
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