「お通夜が終わったのに、全然眠れない…」
新人の方なら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私自身、業界に入った当初は、お通夜のあと神経が張り詰めてしまって眠れない夜が何度もありました。
「明日の告別式、ちゃんとできるだろうか」
「失礼があったらどうしよう」
そう考えるほど、余計に眠れなくなるものです。
実は“眠れない”のは、あなただけじゃない
ある時ふと思って、周りのスタッフに聞いてみたことがあります。すると――
「あー、あるある」「寝れない時あるよ」
という声が思った以上に多かったんです。
安心しました。眠れない夜は、自分の気持ちが引き締まっている証でもあるんですよね。
とはいえ、翌日の告別式のあとに、またお通夜の担当…なんてケースもよくあるのがこの業界。
「ちゃんと寝ておかないと仕事に響く」
というのも、また事実です。
私が実践している“現場向け”の睡眠法=瞑想
そこで、私が数年前から取り入れているのが「瞑想(めいそう)」です。
あのGoogle社など、世界の大手企業でも取り入れられていることで知ったのですが、正直「そんなに効くのかな?」と半信半疑でした。
実際に始めてみると、劇的な変化があった…というほどではありませんが、思った以上に気持ちが落ち着いたり、眠りやすくなったと感じました。
もしかしたらプラセボ(思い込みの効果)かもしれません。でも、「寝なきゃ」というプレッシャーから少し解放されるだけでも、私にとっては十分意味のある時間です。
なぜ“瞑想”で眠れるのか?──脳の“スリープモード”をつくる
調べてみたところ、眠れない原因のひとつは脳の疲れなんだそうです。
人間の脳は、たとえ「何も考えていない」つもりでも、常に何かを考え続けている状態。
いわば、パソコンで言う“スリープモード”。画面は消えていても、電源は入っている。
これでは脳が完全に休まることはなく、結果として「眠れない」状態になってしまいます。
呼吸だけに集中して、脳をリセット
瞑想とは、数分間「呼吸」に意識を集中するだけのシンプルな方法です。
これによって、脳の思考を一時的にオフにし、眠りやすい状態を整えることができます。
私のやり方をご紹介します。
【私の瞑想法(5分ver)】
- 楽な姿勢で座る(イスでもOK。ヨガマット不要)
- 部屋を暗めにして、無音 or YouTubeで波の音などの自然音を流す(※誘導音声は使いません)
- スマホのタイマーを5分にセット
- 鼻からゆっくり吸って、口からゆっくり吐く
- 呼吸の「スー、ハー」という音を自分の耳で聞くように意識する
- 雑念が浮かんできたら「考えちゃってるな」と気づいて、また呼吸に戻る
ポイントは**「形にこだわらないこと」**。
YouTubeなどではヨガマットの上であぐら…みたいな“本格派”が多いですが、普通にイスに座ってOKです。リラックスできる形でやるのが一番です。
瞑想は、眠る前だけじゃない
実はこの瞑想、寝る前だけでなく、お通夜前の緊張するタイミングにもおすすめです。
たとえば、開式直前の数分。お客様が来られる少し前に、立ったまま10秒だけ深呼吸に集中するだけでも、かなり気持ちが整います。
“今ここ”に戻る力
人間は地球上で唯一、未来の不安を想像できる動物だそうです。
他の動物は「今日をどう生きるか」しか考えない。
私たちはつい、「失敗したらどうしよう」「あの施行、大丈夫かな」と未来を不安に感じがちです。
そんな時は、ぜひ瞑想で“今ここ”に集中してみてください。
ほんの少しですが、不安がやわらぎ、目の前のことに向き合いやすくなります。
まとめ:睡眠も仕事のうち。5分でできるセルフケアを
葬儀の仕事は、精神的にも気が張る場面が多い分、自分の心と身体のケアがとても大事です。
眠れない夜に「瞑想」という選択肢があるだけで、少し気持ちが楽になるはずです。
ぜひ、自分のスタイルで取り入れてみてください。
明日の現場が、少しでも落ち着いて迎えられますように。
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